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●我が家の話

我が家では、ストーブやテレビを買ったことがない。
「これ、壊れてるんだけど…」

そう言って譲り受けたものばかり。

 

壊れているなら、捨てるしかないでしょう?
誰かにあげたって、迷惑になるだけ。

第一、壊れたものをあげることなんてできない。
普通なら、そう考えると思う。

 

でも、我が家に壊れたものを持ってくる人は、ちゃんとわかってるんだ。
うちの父なら、直せるかもしれないことを。

 

中には、本当に使い物にならないものもあった。
でも捨てられてしまいそうだった物のほとんどが、生き返った

今の我が家にあるストーブやテレビも、危うく粗大ゴミにされそうだったものばかり。

 

最初から壊れかかってるんだから、スムーズに使えるわけがない。
家電の調子が悪くなると、父はお医者さんと化する。

調子の悪い家電に、父は手をかける。

 

機械をいじることが好きな父は、その手間を惜しまない。
原因を探し、突き止め、解消する。

診察をし、治療を始め、回復させる。
その姿はまるでおもちゃで遊ぶこどものよう。

 

第三者から見れば、買った方が早いんじゃないかと思うだろう。
家族にとっても、それだけの手間をかける価値はないと感じることも、たくさんある。

頑張って直しても、またすぐダメになるのだから。

 

でも、父はそんなのおかまいなし。
直したいんだ。

直して、また使いたいんだ。

 

それだけ手間をかけているものだから、愛着もわく。
だからなおさら、手放せなくなる。

手をかけた子ほど可愛いと言うけれど、機械に対する父の姿は、まさしくそれにあてはまる。

 

おそらくこれからも、新しいストーブやテレビがうちに来ることはないだろう。

 

さすがにもう使えない。買い替えるか…。
どういうわけか、ちょうどそんなときに、また新たな家電がやってくる。

もちろん、粗大ゴミ寸前の。